家づくりポリシー

2011年11月21日 月曜日

耐震補強工事の実態(1)耐震診断と調査

先日一軒の耐震補強工事が終わりました。
クロスや電気工事など復旧補修も入れて、延べ5日間、80万円以内で済みました。
住まいながら、しかも可能な限り日中ご高齢のお母様がデイサービスに行っている不在時に工事をする、というハードな条件付きでしたが
無事終わり喜んで頂きました。
当社では1~2か月かけて本格的耐震補強工事をすることが多いので、今回は最短工事でした。

こちらは16年前新築された住宅で、数年前に実は耐震補強されていたのですが、この間の地震が気がかりで
当社のやっていた無料の耐震診断をご希望されてのことでした。
(耐震診断は通常10万5千円で承っておりますが、年に数回無料で行っております。時期はお問合せ下さい)

まずは、診断のために、現地調査をいたします。午前中か午後の2~3時間頂いております。
最初に簡単なご説明をいたしますが、その後実態を見て頂くため、調査にご同席をお願いしています。

屋外では、基礎・外壁・屋根・雨樋・門扉などの傷み具合を見ます。ひびがあればその隙間も測ります。幅0.3ミリ以上あればチェックします。

屋内では、間取図のコピーを用意していただくと早いのですが、ない場合はその場で間取りを取って行います。
柱が出ていればその寸法や、床や壁の傾き度合い、内法高さもレベル(測量器)やスケールで測ります。
施工誤差の範囲内でしたら問題ありませんが、1000分の6、つまり1mで6ミリの違いがあればかなり問題です。

入れるところがありましたら事前にその周囲を片づけて頂き、床下や天井裏に入らせて頂きます。
床下では、基礎や土台の様子を見ます。含水率計で湿気もチェックし、問題があるか判断します。木造で土間コンを打っていない場合や5年以上措置していない場合、シロアリや腐朽がないか調べます。
天井裏では、雨もりの有無や小屋材の傷み具合や、構造などを問題ないか調べます。

という一連の調査を行い、事務所に帰ってからは専用のソフトに入力し、計算を行います。
混み具合もありますので、だいたい1週間後に診断書をお持ちしてご説明致します。
評点が1.0に満たない場合や(診断される住宅はほとんどそうですが)ご希望がある場合は、
別途、耐震補強設計を致します。評点を1.0、1.25、1.5などに設定したり、条件に応じて3通り位作成します。

こちらのお宅では、元の設計図がなく、家具などがあり壁の中の筋違位置も断定できなかったのですが、
数年前におこなったという補強設計図がありましたのでそちらの参考にさせて頂きました。

診断書もついていたのですが、細かく見ますと、現在では通常換算しない、600ミリ未満の壁も耐力壁計算しており、
実際その設計通りに施工されていても計算上より壁強さが劣っている、ということがわかりました。

新聞広告など行っている団体の設計施工だったので、そんなこともあるのかと驚きました。
できれば、専門家のセカンドオピニオンも受けるとよりベストかもしれません。


お客様にも伝え、今回、工期や費用の少なくて済む補強プランをお選び頂き、実施させて頂いたのです。
結果、補強前は0.96でしたが、補強後は1.30と強い住宅にすることができました。
(計算上は1.33になるところだったのですが、施工中、想定外のところに既存の柱が立っていて、それを抜かないことにしたため、壁の有効長さが少し短くなってしまいました。お客様にはご了承いただきました。)

いろいろ考えて設計して決めても、実際工事中にはいろんなことがあるものです。
同じ家は1つとありませんから、すべてがケースバイケースなのですけれど。

うちの場合はどうなの?そう思われましたら、是非一度、診断させてください。
もちろん、過去に耐震診断・補強されたお宅でも、ご安心のために。

いざという時でも、命を守り、避難のしやすい住まいに。
暮らしやすさとともに、そんな安心感をお届けできることを願っています。


投稿者 目黒区の一級建築士事務所オリガミックアーキテクチャー

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