『住まいの語録』

2012年6月14日 木曜日

四神相応の地

 "よく、間取りができると、家相を見て貰って方位が悪いので、と変更したり、別の間取りにしないと納得しない人がいる。地形や予算にしばられて難しい条件のときなど、間取りの詰めで苦労している上なので困ってしまう。
  合理的な建築工学の研究をなさる大学の先生にさえ、暦や家相で日取りや間取りを決める人がいて、てこずったことがある。どちらか迷うときは、安心やけじめのためにいいが、わざわざうまくまとまったのを変えて悪くなるのでは迷信だ。それとも気にならない間取りを避けるためだったのだろうか。方位を見て貰ったら、ここをなおさないと病気になるといわれたというのだが、方位家の家潰(つぶし)とつぶやかざるを得ない。
 平屋建てで井戸水を使い、便所は厠(かわや)といって別棟に建て、二階のない時代の家相を金科玉条として現代にあてはめるのは、時代錯誤もはなはだしい。もちろん、間取りの上で良いことと悪いことがあって、理屈の上で説明がつくのなら守りたい。現代の建築計画学をもけっして完全ではないし、方位が悪ければ設備で補うという技術至上主義も好ましくない。
 
 間取りづくりではたくさんのよそがからみ合っているから、それを解きほぐすのに役立つならまだしも、間取りをますます難しくするような無理難題にはつき合わぬ方が賢明ということだ。
 吉相の地、吉相の家に、吉相の人が住んでこそ大吉なのだから、気になる人は人相・手相もついでに同じくらい気にしたらいいという気になる。
 吉相の地は、四神相応の地と呼ばれ、東は青龍(せいりゅう)の川の流れ、南は朱雀(しゅじゃく)の平野、西は白虎(びゃっこ)の大通り、北は玄武(げんぶ)の丘に合わせたから、京都は一番住みよいかという事になる。冬の寒さ、夏の暑さはまた格別だと言い切ってしまうと申し訳ないので、酒中国に江戸女、住居京都に武士薩摩ということにしておこう。
 設計屋としては、建主が言い出す前に、前もって黙って間取りをチェックする。都合のよい言い伝えは利用するに限る。そう思うと、家運長久子孫繁栄吉宅の図もほほえましく、凶危病難解除秘法を駆使したと言ってのけるのも悪くない。
 ところで家相二十四方を見ていると、実は15度ずつの角度で、うまく吉凶を割り振ってある。たとえば便所、正の東・南・西・北に、北東(鬼門)・南東・南西(裏鬼門)・北西は凶で、家族の誰かが病気になるという。ところがそれぞれ15度どちらかに振ると吉になってしまうのだ。だまされたと思っていっぺん調べてごらん。
 間取りをどう敷地におさめるか、周囲の環境や景観、通風や排水そして法規制を考慮しながら、建物をちょっと振ればよいのだから、それほど深刻ぶることではない。むしろ間取りクイズの頭の体操にいい。"


投稿者 目黒区の一級建築士事務所オリガミックアーキテクチャー

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