『住まいの語録』

2012年6月18日 月曜日

向こう三軒両隣

 "戦後そんな放送劇があった気がする。戦時中は、とんとんとんからりの隣組、格子を開ければ顔馴染・・・・・・・・・・・・、と調子よく歌った。
 一河の流れ一樹の陰、袖摺り(振り)合うも他生の縁、ましてあたり七軒くらいは、何かにつけて顔を合わせる。最近は住民パワーとかで、利害の共通することもふえてきた。井戸端会議現代版というわけで、近所づき合いを積極的にすすめたい。家を建てたりあるいは維持管理をする上での情報集めには、地縁関係は強みになる。ふだんからつき合いがよければ、新築や改造のときも近所の理解や協力が得やすい。建築確認申請図に隣家の承認印が必要な事もある。(※1)そういう目的でなくても、荷物を預かったり、にわか雨で洗濯物をとりこんであげたりの親切は心にしみる。幼稚園や小学校の子供を通じてのつき合いも気持ちのよいものだ。
 隣人については、宅を是朴(これぼく)するに非ず、隣を是朴すとか、屋敷を買うな、隣人を買え、垣根越しの交際、隣千金に替えん、百万宅を買い千万隣を買う、さらに遠い親戚(親子)より近くの他人という言葉まである。
 もっとも隣といいことずくめも難しい。
隣は何する人ぞと無関心でいられるならまだしも、隣の花は赤い、他人の飯は白い、隣のぼた餅は大きく見える、家の鯛より隣の鰯、隣の貧乏は鴨の味がする、隣が倉建つと腹立つという具合になるおそれもある。隣がピアノを買ったとか、隣のクーラーがうるさいので、果ては刃傷沙汰になったりするのではかなわない。
 こうした関係は、家庭を守る主婦の力が物を言う。何事もないという事は家庭では大事な難しいことなのかもしれない。"(茶谷正洋『住まいの語録』(1978)より)


<後述>
注釈※1:建築申請の申請書や設計図そのものに隣家の承認印が必要になりことはないが、共有地や私道・借地がある場合などの状況により、添付あるいは同時申請の資料に隣家の承認員などが必要になる場合がある。

投稿者 目黒区の一級建築士事務所オリガミックアーキテクチャー

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